千栗八幡宮シリーズのコンセプト考察

千栗八幡宮シリーズの写真作品は、佐賀県三養基郡(みやき郡)みやき町にある、千栗(ちりく)八幡宮の鳥居前の楠を撮影し、モノクロの色彩調整のみを行って日本画や水墨画のような風合いで制作しています。合成や描画ツールは使用しておりません。

千栗八幡宮は日本全国の八幡宮の総本社である宇佐神宮と時を同じくして八幡神が示現し、宇佐よりも先に創建されました。

聖武天皇の御代である神亀元年に千栗八幡宮が、翌二年には宇佐神宮が。そしてその時代こそ聖武天皇が日本に鑑真和正をもって仏教伝来を求めた時代でもありました。

千栗八幡宮が創建された年に、遥か中国の揚州で日本からやって来た日本僧たちに渡日を請願され、和上がかの有名な「是法のための事なり。何ぞ身命を惜しまんや。諸人去かざれば、我即ち去くのみ」と論じた年でもあります。

最初に鹿児島の坊の津に到着した後、佐賀県の嘉瀬津に上陸し、大宰府で日本で初めての授戒を行ったとされています。

千栗八幡宮の座する前には筑後川流域を挟んで久留米市があり、和上が海人族を頼って大宰府に入った事を伺わせます。千栗八幡宮の裏には千栗八幡宮の神宮寺としての天台宗の弥勒菩薩の古刹があり、和上との仏縁を感じずにはいられません。

そして、その千栗八幡宮との出会いはいみじくも改元の年の春であり、私の名前にも千の文字を戴いていることは不思議なご縁を感じております。

八幡宮は神仏習合発祥という背景を元に仏教に基づくテーマに仏陀の逸話に密接な木のモチーフと掛け合わせ、一の実在する木を、想像のフィクションではなく、写真に映しとり、百態を切り取り、百の意味付けを見出だすプロセスをコンセプトの完成体としています。

仏陀が菩提樹の下で悟りを開いたように。



I photograph a camphor tree in front of the torii of Chiriku-Hachimangu in Miyaki-cho, Miyagi-gun, Saga Prefecture, and adjust only monochrome colors to create a texture similar to Japanese painting and ink painting. No compositing or drawing tools are used.

Based on the background of the origin of the Shinto-Buddhist practice, Hachimangu combines a theme based on Buddhism with an image of a wooden motif closely related to Buddha's anecdote, and reflects one real tree in a photograph, not fiction of imagination. The concept of the work is to take the image of various variations and find the meaning based on Buddhism. Just like the Buddha was enlightened under the Bodhi tree.

0コメント

  • 1000 / 1000

安栖 千晶 あとりえきりえ

切り絵作家 彩色切り絵を研究 Asu Chiaki Paper cut out artist My paper cut out work are coloring paper cut out. Art of coloring and cutting out only one sheet of paper.